子宮は、妊娠中赤ちゃん(胎児)を育てる袋となる器官です。
子宮は風船のような形をしていて、
下方のくびれた入り口部分を子宮頸部と呼びます。
この子宮頸部にできる癌が「子宮頸癌」です。
子宮頸癌は、ほとんどがヒトパピローマウイルス (HPV) の感染によって発症すると考えられています。
ヒトパピローマウイルス
全部で 100 型以上存在します。
子宮頸癌と関連する発癌性 HPV は現在 13 種類わかっています。
HPV は、主に性交渉によって子宮頸部粘膜上皮に感染すると考えられています。
決して特別なウイルスではなく、80 % の女性が一生のうちに一度は HPV に感染すると言われています。
性行動の経験のあるすべての女性が HPV に感染する可能性を持っているのです。
しかし、そのうちの 90 %の感染は自然に消失します。
子宮頸癌にまで進行するのは、HPV 感染者のごく一部なのです。
HPV に感染したからといって、必ず子宮頸癌になるわけではありません。
ウイルスが排除されず長期間感染した状態が続くと、その一部が時間をかけて癌へと成長していきます。
CIN (子宮頸部上皮内腫瘍) は、HPV が感染し癌へと進行する危険性がある状態を言います。言いかえると、 HPV が感染した後は必ず CIN を経てから、段階的に癌へと進行します。
HPV は、すぐに悪さをするわけではありません。
定期的な検診により、癌になる前に、あるいは初期の段階で発見することができます。
通常、早期の子宮頸癌ではほとんど自覚症状がありません。
以下のような症状が見られるときは すでに癌が深刻な状況に進行している可能性があります。
・不正性器出血
月経時・出後以外の出血のことをいいます。
セックスのときまたはその後の出血が見られます。
・異常な帯下(おりもの)
赤褐色や赤いおりものがみられることがあります。
・その他の症状
腰痛 太ももの痛み など
癌が浸潤したところが痛くなることがあります。