子宮頸癌の検査(1)癌細胞をみてみよう

1. 子宮頸部細胞診検査


子宮頸部の細胞を
ブラシでこすりとる

スライドガラスに
塗布する

固定・染色して、
専門家が顕微鏡で判定する
正常な子宮頸部細胞診像

正常な子宮頸部の上皮細胞 (扁平上皮細胞) は、平べったいシート状の広い細胞質に小さな核をもった細胞です。
より表面の細胞がオレンジ色に染まって見えますが、月経周期の時期によっても変化します。

異形成の細胞診像

HPV が感染した細胞は、種々の程度の異常を呈します。
核の大きさが増し、形も不整で、核の色が濃く、内部の濃淡も粗く、細胞が密集しているほど、異常の程度が強いと考えます。

軽度異形成
中等度異形成
高度異形成
浸潤癌の細胞診像

浸潤癌になると、細胞の核がくっきりと見え、細胞の形のばらつきも目立つようになります。オレンジ色した異常細胞もみられます。

 

2. 子宮頸部組織診検査


子宮頸部の組織を
少量かじりとる

固定後、薄く切って
プレパラートにのせる

染色して
専門家が顕微鏡で判定する
正常な子宮頸部組織像

正常な子宮頸部の上皮細胞 (扁平上皮細胞) は、何層にも重なり合っています。
表面には古くなった平べったい細胞が、底の方に若い細胞 (基底細胞) がいます。
で示すピンク色の細い帯状の部分を「基底膜」と呼び、粘膜上皮と上皮下組織の境界になっています。

異形成の組織像

HPV が感染した細胞は、核の周りが明るくぬけた様に見えます。
異形成の程度が強くなると、平べったいはずの表面の細胞も厚く、核も濃い丸い形になり、細胞が密集してみえるようになります。

軽度異形成
中等度異形成
高度異形成
上皮内癌
浸潤した扁平上皮癌の組織像

濃いギラギラした核をもった異常な細胞が、無秩序に集まり、基底膜の構造も破綻してしまった状態です。