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助成金名称:神澤医学研究振興財団 平成 22 年度 (第 14 回) 研究助成金
研究テーマ:胎児由来幹細胞を用いた虚血性臓器傷害に対する再生医療の構築
研究組織:(研究代表者) 須波玲、(共同研究者) 小室真祐子、多賀谷光、平田修司
研究内容の概説:妊娠時に母体に移行した胎児細胞が分娩後も長期にわたり母体内に生存し続けることで fetal cell microchimerism (FCM) が形成されます。FCM 形成に関わる未分化な胎児由来の細胞集団は pregnancy associated progenitor cells (PAPCs) と称され、造血細胞のみならず心筋をはじめとした間葉系細胞や肝細胞といった非造血細胞への分化能があり、母体に生じる種々の疾患との関連が報告されています。我々は母獣に臓器傷害を誘発することで、傷害部位における胎仔細胞の検出率が有意に増加し、その修復過程において臓器特異的な成熟細胞へと分化することを報告してきました。PAPCs の有する多分化能と母体の免疫学的排除を受けない特殊性は、自己幹細胞移植に代わる新たな再生医療の治療源として有力であり、本研究の遂行により新たな再生医療の方略の確立が期待されます。

掲載日:2011年01月05日
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