多くの子宮頸癌はヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が発癌において重要であることが分かっています。HPV遺伝子の発現や関連蛋白を解析し、診断や治療への応用の可能性について検討しています。また一部の子宮頸部腺癌はHPVの関与なしで発癌する経路があることを見つけ報告してきました。未解明な部分が多いHPVの関与しない発癌機構の解析を行っています。
胃以外にも胃型の形質を発現する病変・変化が膵胆道系、卵巣などで報告されていますが、子宮頸部にも子宮頸部分葉状過形成と呼ばれる幽門腺形質を発現する疾患が存在します。我々はその生物学的解析を臨床病理細胞学的、分子生物学的に解析してきました。取り扱いが確立していない病態に対して臨床的取り扱いの確立を目指し検討しています。
子宮頸部浸潤癌(扁平上皮癌・腺癌・腺扁平上皮癌)に対する化学療法の適応や用量などについては未解明な部分が多くあります。我々は術前化学療法(NAC)も患者さんの同意のもと予後改善および副作用軽減の有益性が高い症例では積極的に導入しております。詳細に治療効果を解析し、化学療法の種類、用量、適応などについて検討しています。
腹水細胞診は癌性腹膜炎や原発巣推定を行うに重要な検査手段ですが、客観的な判定法や正診率の向上が求められています。我々はWT-1などの複数の抗体を用いた免疫染色検査細胞診を行いより高い診断レベルの構築を目指し研究しています。
特殊症例における細胞診断、画像診断の詳細な解析を行い、集学的治療を行うとともに診断精度および治療成績向上を目指しています。