婦人科悪性腫瘍について 婦人科悪性腫瘍は、子宮頸がん・子宮体癌・卵巣癌などの婦人科悪性腫瘍を扱います。当科悪性腫瘍治療は県内唯一の大学病院として以下の特徴を持っております。
比較的早期の子宮頚癌、子宮体癌、卵巣がんなどの婦人科悪性腫瘍は根治的手術療法だけで完治される方も多くおられますが、不幸にしてかなりの進行がんで初診されたり、他病院より紹介される患者さんも少なくありません。進行婦人科悪性腫瘍に対しても集学的治療を行い、予後を改善する努力を行っています。治療にあたっては充分患者さんや家族の方にご説明し、納得して治療に専念していただけるように勤めています。
病理組織診断、細胞診診断、画像診断、骨盤内拡大手術、放射線治療など婦人科悪性腫瘍の治療レベルを上げるには関連各科との連携が極めて重要です。大学病院の特性を生かして綿密な他科との連携をとり治療レベルの向上をはかっています。
妊娠合併悪性腫瘍や若年者悪性腫瘍などの患者さんの診断、治療、管理にも力を入れています。例えば若年性体癌に対する子宮温存療法(黄体ホルモン療法)や妊よう能温存(保存手術)を初期卵巣がんや初期子宮頚癌に患者さんの同意のもとに行っています。
さらにがん治療のみならず、前癌病変の検出、管理も重要な診療と考えて外来体制をしいております。
当科は婦人科悪性腫瘍化学療法研究機構(JGOG)のメンバーとして多施設共同で行っている臨床試験に参加しています。臨床試験は山梨大学医学部附属病院治験審査委員会の承認を得ております。患者さんが臨床試験へ参加する条件が満たされる場合には、患者さんとご家族のご同意の上、臨床試験への参加もお願いする場合があります。
2008年 | 2009年 | 2010年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 | 2014年 | |
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子宮頸部 上皮内がん |
13例 | 13例 | 14例 | 7例 | 36例 | 34例 | 49例 |
子宮頸部癌 (浸潤癌) |
20例 | 13例 | 13例 | 13例 | 9例 | 15例 | 11例 |
子宮体癌 | 18例 | 22例 | 26例 | 18例 | 24例 | 27例 | 13例 |
卵巣卵管 腹腹癌 |
21例 | 24例 | 26例 | 18例 | 19例 | 24例 | 20例 |
2015年 | 2016年 | 2017年 | |
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子宮頸部 上皮内がん |
42例 | 30例 | 34例 |
子宮頸部癌 (浸潤癌) |
19例 | 20例 | 28例 |
子宮体癌 | 18例 | 36例 | 35例 |
卵巣卵管 腹腹癌 |
27例 | 36例 | 29例 |
上記代表的疾患以外にも腟癌、絨毛性疾患などの特殊症例も診断、治療しています。