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不妊治療について

不妊症の考え方

不妊とは「妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間(一般に1年間)妊娠しないものをいう」とされています。国内では5.5組に1組のカップルがなんらかの不妊治療あるいは検査を受けていると報告されています(2015年厚生労働省)。

実際には、結婚した年齢、子供を欲しいと思った年齢、持病、もともとの卵巣予備能、パートナーとの関係、あるいは職場環境や経済状況など、さまざまな要因によって受診のタイミングは左右されると考えられます。また不妊症は、がんや心筋梗塞などの病気とは異なり、第三者の意見で治療を強いられるものでもありません。しかし、迷うのであれば早めに着手した方が、子供を授かることのできる可能性は間違いなく高いです。先送りにせずに、自分の体と、パートナーと、向き合っていくのが良いでしょう。

プレコンセプションケア

妊娠すること、妊娠中のリスク、胎児の発育、出生後の子供の健康などを見越して、妊娠するよりも前から心と体のケアをしていくことをいいます。当然ですが自身の健康にもつながります。重要な11のポイントを示します。いきなり全てを完璧にこなそうとするのは難しいので、ひとつずつ考えていくことが大切です。

プレコンセプションケアのポイント

  • バランスの良い3食を心がけ適正体重をキープしましょう。
  • 積極的に葉酸やカルシウム・ビタミンDを摂取しましょう。
  • 禁煙し、過度のアルコール摂取を控えましょう。
  • ストレス発散の方法を見つけましょう。
  • 毎週150分を目安に運動習慣を身につけましょう。
  • 風疹ワクチン接種など、感染症から自分とパートナーを守りましょう。
  • 自分や家族の病気を知り、健康管理をしましょう。
  • 子宮がん検診や乳がん検診を受けましょう。
  • 自分に合った婦人科医を見つけましょう。
  • 歯科検診を定期的に受けましょう。
  • 将来の家族計画・ライフプランについてパートナーと一緒に考えてみましょう。

妊娠する

妊娠する

妊娠の成立にはいくつものプロセスが必要です。そのなかでもっとも重要な3つのポイントは、①排卵しているか、②卵管が通っているか、③十分な精子が存在しているか、となります。これらに関わるものを中心に、初診で来院した時点でできるものから順に検査を予定していきます。検査によって、月経周期のなかで適切な時期があります。

また、特別な指示がなければタイミングをとる(性交渉をする)ことを制限していません。検査をすることが目的ではなく、妊娠して、母子ともに健康にお子さんを授かることを目指すからです。排卵前の2日間がもっとも妊娠しやすい時期ですので、とくに一般不妊治療を行っている場合には卵胞チェックの受診日を待たずにお二人の事情に合わせてタイミングをとってください。

性交渉のタイミングと妊娠率

不妊外来について

原則として、他院からの紹介いただき、医療連携室を通して初診予約をしていただきます。予約方法については「初診予約について」をご覧ください。

初診時には詳細な問診と方針の確認・検討を行います。時間をかけて行いますので、限られた予約枠であることをご了承ください。不妊外来は主治医制ではありませんが、複数名在籍する生殖医療専門医を中心に治療方針を検討し共有しますのでご安心ください。

また、不育症についても当外来で対応しています。2022年4月からは、これまで先進医療として実施していた流産絨毛染色体検査が保険収載されました。臨床遺伝専門医も在籍していますので、必要に応じて遺伝カウンセリングも可能です。

当院では毎週水曜日、不妊症看護認定看護師による「不妊相談外来」を解説しています。当院不妊外来通院中の方の心のサポートを行っています。不妊に関わる悩みごとなど何でもお気軽にご相談ください。山梨県の不妊相談センター「ルピナス」でも、毎週水曜日に電話相談を解説しています。詳しくは山梨県のホームページをご覧ください。

一般不妊治療

不妊治療計画書の作成

不妊治療を開始するにあたって、パートナーとともに来院していただいて治療計画書を一緒に作成することが、2022年4月から必要となりました。これまで通院していたから方も2022年4月1日以降に改めて治療計画書を作成いたしますので、パートナーと一緒に来院していただく案内があることをご了承ください。

検査

*血液検査

  • 基礎値採血:月経の3〜5日目に、LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、TSH(甲状腺刺激ホルモン)、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)、エストラジオール(いわゆる女性ホルモン)、テストステロン(いわゆる男性ホルモン)を測定します。主に、順調に排卵・月経があるかに関わるホルモン値になります。
  • 高温相採血:排卵の5〜7日後にエストラジオールとプロゲステロン(黄体ホルモン)を測定します。主に着床と妊娠の成立・維持に関わるホルモン値になります。
  • その他に耐糖能の検査などを提案することもあります。

*クラミジアPCR検査、腟内細菌培養検査

子宮頸部などにクラミジア感染が認められた場合には、不妊治療や妊娠中に感染による問題が生じますのであらかじめ現行感染が無いことを確認します。
膣内細菌培養検査でGardnerella vaginalisなどが多く存在する細菌性腟症の場合、流産や早産の原因になりうるのであらかじめ治療を行います。ラクトフェリンやビオフェルミンなどを積極的に摂取することも良いと考えられています。
いずれも初診時に行うことが多い検査です。

*子宮卵管造影検査

子宮内にカテーテルを通して、造影剤を流しながらレントゲンを撮影し卵管の通過性や子宮の形態を確認します。月経終了後〜排卵前の時期に実施可能で、当院では放射線検査室を利用する他の診療科との都合で毎週水木金の午後のみとなっています。
ただし、喘息や造影剤アレルギーのある方の場合には、卵管通水検査を代用として実施します。こちらは外来で可能ですので曜日や時間の制限はありません。

*子宮鏡検査

子宮内に太さ約4mmの細いカメラを挿入し、子宮の形態、子宮内膜ポリープ、子宮内膜炎などの様子を観察します。月経終了後〜排卵前の時期に実施可能です。

*フーナーテスト

前日に性交渉をしてきていただき、頸管粘液中に運動精子が認められるかどうかを調べる検査です。動きが悪い場合などは後日再検査を予定しますが、状況によっては人工授精をお勧めすることがあります。排卵が近づいた頃に卵胞(卵子の含まれる袋)チェックと共に行います。

*精液検査

あらかじめお渡しした採精カップで採取した精液を2時間以内にお持ちいただき、精子濃度や運動率などを計測します。検査までの禁欲期間は2〜3日にしていただくように調節してください。禁欲期間が長すぎたり短すぎたりすると適切な評価をすることができません。また、冷える、あるいは体温より熱くなってしまうことも結果に影響しますので、人肌でお持ちいただくのが良いです。結果によっては早めに人工授精や体外受精へのステップアップをお勧めします。
無精子症などの場合には、当院泌尿器科を受診いただき、精巣内精子回収術(MD-TESE)を行った上での顕微授精をご案内します。2022年4月より保険診療となりました。

排卵誘発剤

内服ではクロミッド、セキソビット、フェマーラを、注射薬では主にゴナールエフを用います。排卵させるためにHCG注射を用いることもあります。これらの薬剤は直接妊娠率を上げるわけではないので、排卵障害など必要な方に提案いたします。多囊胞性卵巣症候群(PCOS)で耐糖能の異常がある場合には血糖降下薬であるメトグルコ、高プロラクチン血症の場合にはカベルゴリンの併用を提案することもあります。

しっかりと発育した卵胞(16mm以上)が4つ以上認められた場合には、多胎(ふたご、みつごなど)のリスクが非常に高くなります。このためにその周期の治療を中止することがあリます。

妊娠率と多胎率

過度の肥満・やせによって月経不順・無月経になることがあります。その場合には排卵誘発剤の使用よりもダイエット(適切な減量・増量)を優先し指導します。肥満・やせのままの妊娠は、早産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病、巨大児、帝王切開率の増加などさまざまなリスクがあります。「妊娠したらダイエットする」というのも困難ですし、胎児にとっても良くありません。妊娠前の普通体重(BMIが18.5以上25未満)を目指してください。

BMI = [体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]

卵巣過剰刺激症候群(OHSS)

排卵誘発剤によって過剰に卵胞が発育した影響で血管内の水分が逃げ出し、腹水や胸水が貯留します。お腹の張り、腹痛、吐き気、息苦しいなどの症状が出現したり、卵巣茎捻転による激痛や、脳梗塞などの血栓症を生じることも報告されています。重症度によっては入院治療が必要となりますので、症状出現時には早めにご相談ください。

大きく腫大した卵巣
大きく腫大した卵巣

人工授精

前日までに卵胞発育を確認し、排卵直前となる日程で予定します。排卵誘発剤を併用することもあります。お渡しする採精カップで採取した精液を密度勾配遠心法で処理し、子宮内へカテーテルを用いて注入します。人工授精当日は朝一番のみでの対応となります。

2022年4月からは保険診療で実施可能となりました。年齢や回数の制限はありません。ただし、年齢などにもよりますが、5回程度までの実施で妊娠しない場合には漫然と繰り返さず、体外受精へのステップアップを提案します。

人工授精

生殖補助医療

体外受精(顕微授精を含む)の適応

両側の卵管閉塞や、乏精子症などの場合には体外受精が良い適応となります。また、排卵・卵管・精子などの条件が問題なくても、ピックアップ障害や受精障害などの検査ができない不妊症の要因が存在する可能性があります。したがって、人工授精などでも妊娠成立しない場合も適応となります。

<保険診療化における注意事項>

2022年4月からは、保険診療の要件に当てはまる方については保険診療(3割負担)で対応します。その場合、体外受精を開始するにあたって、パートナーとともに来院していただいて治療計画書を一緒に作成することが必要です。初回の治療計画書作成時における女性の年齢を基準として、40歳未満であれば6回まで、40歳以上43歳未満であれば3回まで、胚移植を保険診療で実施することが可能です。胚移植までたどり着けなかった場合の採卵の回数には制限はありません。

2022年3月までに凍結保存した胚を4月以降に保険診療で胚移植をすることは可能です。

年齢制限や回数制限を超えてしまった場合には、私費診療(10割負担)で対応できます。今回各処置について保険点数が設定されたことにより、2022年3月までとは金額が変わることをご了承ください。

着床前検査(PGT-A/SR/M)を併用する場合には、年齢や回数が制限内であっても、採卵や胚移植などすべて私費診療になります。他にも、当院で先進医療として実施可能なもの(後述します)以外の検査・治療の併用をご希望の場合にはすべて私費診療になります。

妊孕性温存療法で保存した胚・卵子・精子を用いる場合にもすべて私費診療になりますが、特別な助成金制度があります(予定)。県の妊孕性温存支援事業のホームページをご覧ください。

体外受精の手順

自然な月経周期では一個の卵胞しか育たず、得られる卵子も一つです。通常、卵子を採取する場合には性腺刺激ホルモン剤(ゴナドトロピン注射)を1週間程度投与して複数個の卵胞を発育させ(調節卵巣刺激)、なるべく多くの卵子を採取します(採卵)。得られた卵子とパートナーの精子を用いて受精させ(cIVFあるいはICSI)、受精卵(胚)を作成します。発育した胚をそのまま移植する新鮮胚移植(分割期あるいは胚盤胞)、あるいは全胚凍結(基本的に胚盤胞)を行います。新鮮胚移植した場合も余剰胚は凍結保存します。凍結保存した胚は、次回以降の周期に融解して子宮内に移植することができます。

体外受精の手順

調節卵巣刺激

ショート法、アンタゴニスト法、PPOS法を中心に行っていますが、卵巣予備能やご都合に合わせて低刺激法、遅延スタート法、ランダムスタート法などを提案する場合もあります。2022年4月からは卵巣予備能の指標となるAMHの測定が保険収載されました。以前からそうですが、AMHの値も参考にして刺激方法や投与量を検討します。

卵胞を育てるゴナドトロピン(HMGやFSH)製剤は病院に来て注射する方法と、自宅で自己注射をする方法があります。刺激方法も含め、ご希望がある場合には診察時に医師と相談してください。

残っている卵子の数

ショート法
ショート法

アンタゴニスト法
アンアゴニスト法

PPOS法
PPOS法

採卵

生殖医療センターで行います。

基本は座薬の鎮痛剤を使用して、経腟超音波をしながら一つずつ卵胞を穿刺します。採卵後は1時間程度様子を見て、問題なければ帰宅できます。卵胞数が多い場合などは静脈麻酔で眠っている間に採卵します。通常プロポフォールという薬剤を用いますので、眠っている時間は10分程度ですが、体の中に残っている時間は長いので、採卵後も4時間は病院内で様子を見てから帰宅できることにしています。大豆などのアレルギーがある場合にはプロポフォールは使用できませんので必ず申し出てください。

体外受精cIVF・顕微授精ICSI

あらかじめお渡しした採精カップで採取した精液を2時間以内にお持ちいただき、適切に処理したのちに媒精します(通常の体外受精cIVF)。顕微授精ICSIは、精子が少ない、運動率が低い、受精率が低い、MD-TESEの保存精子を用いる場合などに実施します。当院では基本的にconventional ICSIを実施しており、現在はPiezo-ICSIは行っていません。

タイムラプスインキュベーターの使用をご希望の場合には医師にお声掛けください。私費診療ですが先進医療ですので、保険診療と併用することが可能です。ただし、同時に格納できる数に限りがありますので、ご希望に添えないことがあります。

MD-TESEの精子を用いる場合、初回に限り採取精子調整加算が算定されます。

ICSIをしても受精しない場合にはストロンチウムなどによる活性化処理を行うことがあり、卵子調整加算が算定されます。

体外受精cIVF

胚のグレード

胚移植

生殖医療センターで行います。病院のシステム上、平日のみ実施可能です。

経腟あるいは経腹超音波で確認しながら、胚移植用カテーテルで経腟的に胚移植します。形態学的な胚質(上図の胚グレード)が良いものから順に移植胚を選ぶことが多いです。グレードの良いものは良好胚と称され、妊娠成立する確率が高いからです。

多胎妊娠をなるべく避けるため、原則1個の胚移植(SET)です。ただし、35歳以上、あるいは2回続けて胚移植しても妊娠成立しなかった場合には2個同時に移植(DET)することが許容されています。多胎妊娠の場合には、早産、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病など、様々なリスクがありますので、移植胚数については医師とよく相談してください。

二段階移植は基本的に実施していませんが、ご希望の場合には医師にお声掛けください(ただし保険適用外のため採卵から全て私費診療になります)。

当院では2022年4月に保険収載された、アシステッドハッチング(レーザーで卵の殻にあたる透明体にヒビを入れる)や移植時の高濃度ヒアルロン酸含有培養液(着床率を向上させる)の使用を積極的に行なっています。どうしても不要な方は医師にお声掛けください。

胚移植

新鮮胚移植

採卵当日の夜からエストロゲン製剤とプロゲステロン製剤の補充を開始し、数日後に胚移植を行います。採卵5日後に胚盤胞移植をすることが多いですが、採卵2〜3日後の初期胚移植を提案することもあります。残った胚は、採卵の5〜6日後に胚盤胞まで到達した場合、凍結保存します。

採卵日を基準とし、その14日後に妊娠判定を行います(判定日が妊娠4週0日となります)。

全胚凍結(freeze all)

新鮮胚移植をせず、採卵の5〜6日後に胚盤胞まで到達した全て凍結保存することを指します。凍結胚は翌周期以降の融解胚移植に用います。分割期胚の凍結は基本的に行っていませんが、ご希望の場合には医師にお声掛けください。

採卵周期では複数の卵胞を育てたり、排卵抑制をしたりなど、自然な月経周期とは異なるホルモン環境となっていることなどから、近年は全胚凍結を基本方針としている施設が増加しています。当院では、一回の治療期間の短縮を期待したい場合や、体外では胚盤胞まで発育できない場合など、積極的に新鮮胚凍結を行っています。ご希望のある方は医師にお声掛けください。

ただし、OHSSの危険がある場合や子宮内膜が薄い場合にはご希望によらず全胚凍結としています。PPOS法やランダムスタート法の場合には適切な着床環境を作れませんので全胚凍結となります。

凍結融解胚移植

月経周期がある程度規則的であれば自然周期、そうでなければホルモン補充周期を基本としています。もちろん仕事との両立も重要ですので、卵胞発育に合わせた来院が難しい場合には、月経周期が規則的であってもホルモン補充で移植スケジュールをコントロールすることも多いです。ただし、自然周期の方が妊娠高血圧症候群や分娩時大出血などのリスクが低いことが報告されていますので、なるべく自然周期をお勧めしています。妊娠率や流産率に差はありません。

当院では着床率の向上を期待しSEET法(凍結前の胚培養時の培養液を保存しておき、胚移植の3日前などに子宮内へ注入する)を積極的に実施しています。SEET法は私費診療ですが先進医療ですので、保険診療と併用することが可能です。どうしても不要な方は医師にお声掛けください。

*自然周期

  • 利点:ホルモン剤の使用が少ない。妊娠高血圧症候群や分娩時の出血リスクが低い。
  • 欠点:卵胞発育速度、排卵日に予定が左右され、中止になることがある。

排卵を確認し、その5日後に融解胚移植を行います。排卵後は判定日までプロゲステロン製剤(ルティナス腟錠)を使用します。排卵日を基準とし、その14日後に妊娠判定を行います(判定日が妊娠4週0日となります)。通常、判定日以降はプロゲステロン製剤の使用は不要です。

また、排卵日を調節する目的でHMGやHCGなどを注射することもあります。病院のシステム上、平日のみ実施可能です。排卵した曜日によって適切な胚移植日が休日に当たってしまう場合、その周期での移植は中止し次回周期に再トライすることになります。

*ホルモン補充周期

  • 利点:スケジュールが立てやすい。
  • 欠点:ホルモン剤を妊娠9週まで使用。妊娠高血圧症候群や分娩時の出血リスクが高い。

月経2~3日目からエストロゲン製剤(エストラーナテープ貼付剤)を使用開始します。約2週間後、十分に子宮内膜が厚くなっていることを確認し、プロゲステロン製剤(ルティナス腟錠)の併用を開始します。その5〜6日後に融解胚移植を行います。プロゲステロン剤の使用開始日を基準とし、その14日後に妊娠判定を行います(判定日が妊娠4週0日となります)。通常、判定日以降も妊娠9週6日までホルモン剤の使用が不可欠です。

本来エストロゲン製剤によって卵胞発育を抑制する方法ですが、時々卵胞発育してしまうことがあります。その場合には排卵させて、排卵の5日後に融解胚移植を行います。排卵日を基準とし、その14日後に妊娠判定を行います(判定日が妊娠4週0日となります)。

判定日以降

判定日に血液検査でhCGの上昇を認めた場合、妊娠反応陽性と判断します(妊娠4週0日とします)。

その1週間後(5週0日)に子宮内に胎囊を認めた時点で妊娠成立と判断します。その後も1〜2週間ごとに診察し、妊娠9週までは不妊外来で管理します。妊娠10週には妊婦外来あるいは分娩予定施設を紹介受診することになります。

胚凍結保存管理料

凍結日から1年ごとの更新手続きが必要です。

凍結日から3年間は保険診療で保存継続できますが、4年目からは私費診療(年間35,000円)となります。また、3年以内であっても妊娠成立などにより不妊治療を中断した場合、その後も保存を継続するためには保存料が私費診療(年間35,000円)でかかります。

妊娠・分娩の結果について

生殖補助医療による妊娠は、分娩後に日本産科婦人科学会のART登録に結果を報告する義務があります。妊娠終了後には一度ご連絡いただけますようお願いいたします。場合によってはこちらから連絡差し上げることもありますのでご了承ください。

先進医療について

私費診療ですが、保険診療と併用することが許可されている医療行為となります。
すでに先進医療会議で公示されているものについて当院の対応状況を示します。随時更新します。

  • PIMSI:対応不可
  • タイムラプス:先進医療での対応可能
  • ERA:先進医療での対応可能
  • EMMA/ALICE:完全私費診療での実施可能、先進医療での対応不可
  • SEET法:先進医療での対応可能
  • スクラッチ法:先進医療での対応可能
  • 子宮内フローラ検査:先進医療での対応可能(予定)
  • PGT-A:完全私費診療での実施可能、先進医療での対応不可(予定)
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